ニューカレドニアやハワイなどの南国の島に住む人々は、極寒のシベリアやアラスカに住む人々よりも幸せそうなイメージがある。では実際に、気候と幸福度に何らかの相関関係はあるのだろうか。
南国の島で日照度の多い南国、たとえばフィジー、タヒチ、バハマ等の島国は、いくつかの幸福度調査の結果を見るかぎり、世界でも中の上ぐらいの幸福度だ。これは日本よりは少し高い程度である。また赤道付近にある国として、南米のエクアドル、インドネシア、シンガポール、そして中央アフリカをはじめとする多くのアフリカ諸国があるが、エクアドルは他のラテンアメリカ諸国と比べても幸福度はむしろ低いほうであり、インドネシアとシンガポールも特別に幸福度が高いわけではない。そしてアフリカ諸国の幸福度は、世界でいちばん低い。したがって、赤道付近の国々と幸福度には関連性は見られない。
幸福度の調査でいつも上位を占めている国々は、むしろ北部の日照度が少ない位置にある国が多い。常にトップの北欧諸国では、極夜という日照時間がゼロの日が冬に訪れる。その反対に夏には白夜が訪れ、一日中日が沈まない。そこで北欧の人々は、夏期は昼夜を問わずに街は人であふれるが、冬期になると心持ち表情も暗くなり、外出も控える傾向にある。そしてアイスランドに至っては、国土の一部が北極圏に入る寒冷地である。それにもかかわらず、幸福度では世界でトップクラスに入っている。また、アメリカ大陸でもっとも北にあるカナダの幸福度も非常に高い。
ただし、寒い地域の幸福度が高いわけではない。ロシアの幸福度は世界的にみても非常に低く、また緯度的には北欧諸国に近いバルト三国の幸福度も非常に低い。
南国でも極寒でもなく、穏やかな気候の国には幸福な国が多いという説もある。しかし、どの程度を「穏やかな気候」と判定するかは難しく、また例外が沢山あるので、やはり気候と幸福の関連性を見つけることは困難である。
結論として、各国の気候と幸福度には何の相関関係も見れないということである。
どんなに厳しい気候条件でも、人類は適応してしまうという特徴があるためなのかもしれない。人類がその場所で定住して社会をつくるという時点で、人々の幸福度は、その社会がどのような社会であるのかが重要となってくるのだろう。
幸福度調査:
http://worlddatabaseofhappiness.eur.nl/
http://www.happyplanetindex.org/explore/global/life-sat.html
http://www.worldvaluessurvey.org/
http://en.wikipedia.org/wiki/Satisfaction_with_Life_Index
2010年7月28日水曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントありがとうございます。
みんなでいろいろなことを、それぞれが違った視点で考えていきましょう!