私の中学時代の同級生、組田幸一郎氏が英語を教えている学校だ。組田氏とは、バスケットボール部で一緒に汗を流した仲間でもある。
ちなみに組田氏は、英語教師をしながら、英語教育に関する書籍をすでに7冊も出版している。そんな彼のブログのタイトルは「英語教育にもの申す」だ。
彼とは最近、25年以上ぶりに再会し、今回私が講演することとなった。
「話が面白くなかったら、生徒が寝てもいいから」
と、講演の内容について私が半分冗談で言ったら、なんと彼はそのまま生徒に伝えてしまった。
「いつも僕の授業では絶対に寝させないんだけど、今回『寝てもいい』なんて言ったから、生徒は相当期待してるよ。よろしくね」
と、数日前に言われた。そして授業は午後の一番眠くなる時間。すごいプレッシャーだ。自分が高校時代の頃を思い出し、眠くなかった授業を思い出しながら、話を組み立てるしかない。
そのうえ、生徒の保護者も何人か来ることとなった。さらなるプレッシャー・・・。
さて、当日。
最初の5分が勝負だろうと思い、インパクトのある世界の写真を見せて、「ここはどこでしょう?」ではじめた。そして、現地で私がアホなことをやっている写真を織り交ぜた。
たぶんあまり馴染みのない中南米とアフリカが中心だ。ボリビアのウユニ塩湖、イースター島、ガラパゴス諸島、アフリカ各地の動物。なかなか食いつきはいい。
15分経過し、まだ寝てる生徒はいない。
次ぎに自己紹介を兼ねて、私が最初に海外に興味を持った経緯などを話す。高校時代の未知との遭遇だ。
あ、ひとり寝だした。
でも前列を陣取った男子生徒たちの目はまだまだ生きてる。
パキスタン、アフガニスタンの話から、アメリカの入国審査で私がアルカイダに疑われたエピソード等を紹介。
おお、もうひとり寝だした。
5時間目が終了し、休憩をはさんで6時間目に突入。
後半は、日本人と海外のひとびとの生き様の違いを、ゆるく説明しながら「幸せとは?」という、私の得意分野に話をもっていく。
あれ、またひとり寝てるよ。
でも、一番後ろに座ってる2人の保護者は、「うん、うん」とうなずいてくれてる。
最後は、私の熱いメッセージで終了。
組田氏いわく、あの時間で他の科目だったら、もっと寝ていても不思議ではないとのこと。まあ、上出来としよう。
講演の終了後、保護者も含めて生徒から、以下の感想をもらった。
41人全員の全文を掲載するのは無理なので、いくつか部分的に抜粋します。
「堅苦しい話を長々とされるのかと思っていましたが、世界各国の動物や、人や、場所や、その他にたくさん楽しいことを聞けて(見られて?)よかったです」
「私にはたくさんのなやみがあって、(中略)そのために今、勉強しています。しかし目崎さんの経験したお話を聞くと、私にも道はたくさんあるんだなと思わせてくれました」
「最初は眠くなるんだろうなあと思っていたけれど、話を聞いてみると、とてもおもしろい話で、夢中になってしまいました」
「途中寝ちゃったけど、すごくおもしろかったです」
「スライドショーの写真で、地球温暖化問題や貧困問題など、世界中にあふれている様々な問題を身近に、そして重く感じることができました」
「ああ、やっぱり(組田)先生の友達なんだと思いました」
「思ったより声が高かった」
「これまでは外国には行きたくないと思っていましたが、今日の話を聞いて、行ってみたくなりました」
「一番強く印象に残ったのは、英語ができるようになったら、日本語ができることが強みになるということです。(中略)とりあえず、自分で何をやるかを決めて、毎日頑張るということを学びました。私も世界で必要とされるような人になりたいと思います」
「これからの進路のこと、すごいなやんでいて、今も悩んでいるけど、本当にしたいことを職業にしたいと思った」
「今、好きなもの、したいこと、夢がある自分は幸せだと思った」
「俺も将来いろいろなところにいって、いろいろなものを感じ、面白い大人になりたいです。自分にウソをつくなと言われて、めっちゃひびきました」
「自分の今後の人生を深く考えたくなる話だった」
「今までの世界観の小ささに気付きました」
「英語をはじめ、世界についてもっと知りたいと思ったし、また世界だけでなく、日本や自分自身を改めて、今日挙がっていたような『自分に正直になる』という見方から見直してみたいと思った」
「私も、自分の好きなことと得意なことが一致するような将来の仕事をみつけたいなと思いました。そして今から、英語と読書を、まねしてやりたいと思いました」
「普段の生活じゃわからないような話をきけて、すごく面白かったです。新しい発見?みたいなのがあって、なんだか新鮮でした」
「短い時間だったけど、たくさんのことを学べました」
「世界を旅したくなった。夢を真剣に考えたくなった」
「自分の好きなことをみつけて、自由にやりたいと思った」
「幸せについて考えてみようと思った」
「周りの目や期待を気にするのではなく、自分の好きな事を結果はどうあれ、一生懸命にやればいい、という言葉がすごく心に響いた。それは今の学校生活でも、これからの人生においても自分のベースになる大事なことだと思う」
「私の考えが少し変わった」
「この地球上にある美しい景色は、いつか自分の目で見たいと思っています」
「世界には私たちの知らない美しい風景があるのだと思い、ますます世界に興味がわいてきました」
「目崎さんが拘束されたと聞いて、人生においてそういう武勇伝みたいなものが欲しいと思った」
「この機会をいかして、これからの人生につなげたいと思った」
「外国に行きたくなりました。私は星がきれいに見える場所にいつか行ってみたいです」
「貴重な体験の写真がたくさんあって、驚いたことがいっぱいでした。そんな世界を旅してきた目崎さんの言葉だからこそ、すごく胸に残りました」
「私は日本から将来出ることはないと思っていましたが、ぜひ、外国に行って物の見方や考え方の違いを知り、よりよい生活ができればいいなと思いました」
「私はまだこの先の進路が決まらずに悩んでいるのですが、お話をきいて少し考え方も変わったきがします」
「世界は広いと改めて感じました。『幸せってなんだろう』と、今まで考えたこともありませんでした」
「”国際人”って、こういう人のことを言うのかと思いました。外国の人からアドバイスを受けているようで、とても新鮮で面白かったです」
保護者の方からは、
「今日のこの時間が未来を担う子供たちの道しるべになったことと思います。」
「欲をいえば、もっといろいろな人に聞いてもらえたら、と思いました」
そして、私の感想。
もっと広い世界、そして「幸せとは何か」に興味をもってくれるきっかけになったのであれば、本当に嬉しいです。
「最近の若者が内向きになっている」という話はよく聞きますが、それは「外の世界がどれだけ面白いか」を伝える人が少ないからではないでしょうか。
幸せな人生を送りたくない人はいないと思います。どれだけ幸せになれるかという可能性を想像することができれば、あとは本人の決断次第です。
その可能性を若者たちに示すのが、私たち大人の役割ではないでしょうか。もちろん、大人が幸せに暮らしていなければ、そもそも話になりませんが。
成田国際高校2年D組のみなさん、そして保護者の方々、ご静聴ありがとうございました!韓国への修学旅行、楽しんできてください!!
すばらしいですね!!
返信削除感動です。お話聞きたかった。またよろしくです。
いいお話をありがとうございました。
返信削除こうした機会をもっと作るのも幸せ研究会の役割かと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
おつかれさまでした。
返信削除もっといろんな場所で話して頂きたいと思いました。
ご講演、ありがとうございました。
返信削除生徒の心にかなり引っかかりを作っていたようで、
韓国でもその話題がかなり出ていました。
「世界は広いんだ!」
と、目崎さんの話から感じたようです。
また、お話しを伺いたいと多くの生徒が思っています。
心から感謝しています。ありがとうございました。